リズミカルな動き

赤ちゃんが体を前後にゆらゆらと揺らしているのを見たことはありませんか?

リズミックムーブメントトレーニングのエクササイズは、赤ちゃん自身が自然に行う、このような動きから開発されました。リズミカルに体を揺らすことで様々な感覚刺激を与え、脳の神経ネットワークの成長を育みます。

リズミックムーブメントのエクササイズには、やってもらうエクササイズ(受動)と自分で行うエクササイズ(能動)があり、全部で15種類にまとめられています。

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受動の動きの一例として、「仰向けで膝から揺らす」エクササイズ

これらの動きは、障害や困難さの有無に関わらず、誰に対しても適切です。受動でも能動でも、リズミカルに身体全体を動かします。動きは、平衡感覚、多くの関節にある固有受容感覚、腹部の内臓器官、触覚器官などいくつもの感覚に刺激を与えます。エクササイズによって引き起こされた感覚刺激は、神経接続の発達を促します。原始反射が成熟し統合されると、活動のレベルを調整して、じっとしている能力を子どもに与えます。多動性と衝動性が減少し、注意力と集中力が向上します。

リズミックムーブメントトレーニングは、協調性や筋緊張を整えるといった運動機能の向上や原始反射の統合を促進させるでしょう。さらに、発話や視覚、注意力・多動性・読み書きの問題といった様々な分野での改善に気づくことがよくあります。こういった改善は、ハーラルド・ブロムベリ医学博士の仮説によると、リズミックエクササイズの刺激により脳のいろいろな場所が接続されるからと説明されます。

脳の新しい神経接続の発達を促すには、リズミックエクササイズを毎日行う必要があります。そのような発達には時間がかかることが経験からわかっています。通常、2〜3か月のトレーニングの後に改善が見られますが、子どもが週に少なくとも5回はエクササイズをすることが前提です。子どもが困難の大部分を克服するのには、通常は、1年はかかるでしょう。障害が重い場合は、もっと長くかかります。