故ハーラルド・ブロムベリ医学博士について 〜About Harald Blomberg M.D.〜

drハーラルド・ブロムベリ氏は、1971年にスウェーデンで医学の博士号を取得した後、児童精神医学の分野へ進もうと決心しました。1975年、彼はソビエト連邦の心理学と精神医学を勉強するスタディ・グループに参加し、数多くの論文と経験に基づいた本を書くに至りました。その後、総合精神医学の専門家研修を始め、1982年に終了しています。

1984年からは、2年間にわたる臨床催眠の研修プログラムに参加しました。講師の中には、英国や米国からの著名な臨床催眠療法士が数人いて、INPPThe Institute of Neuro-Physiological Psychology)の創設者、Peter Blythe, Ph.D.ピーター・ブライス氏も催眠療法の講師の一人でした。ブロムベリ氏は原始反射と学習障害についての講座にも参加しました。

翌年の1985年には、ボディー・セラピストのキャスティン・リンデ女史と出会いました。彼女は神経や発達の問題だけでなく、精神の障害を持った子どもと大人に成果のある療法を行っていました。それは幼児が歩くことを学ぶ前に起こす動きに触発された、リズミカルな動きを使ったものでした。彼女に会ったときブロムベリ氏は、子ども時代にかかったポリオが原因となった彼自身の運動障害に対して何かをしたいと考えていました。

キャスティン女史の手法に大きな衝撃をうけたブロムベリ氏は、彼女の許可を得て、セッションに同席し始めました。特に脳性麻痺のような神経学的な障害で苦しむ子どもたちとのセッションでは、彼のあらゆる医学的な教育や経験を否定するような驚異的な改善を目の当たりにしました。また、アルツハイマー患者や精神病患者、その他の心理的・感情的な障害を持つ人たちへの取り組みにも同席し、彼女の療法が有益な影響を及ぼすことに愕然として、彼女の手法について本を書こうと決心し、キャスティン女史が治療した障害のある子どもたちの両親にインタビューを始めました。

専門家研修を終え、精神科外来のクリニックで精神科の顧問医として働き始めたブロムベリ氏は、1986年からクリニックの神経症患者と精神病患者の両方のためにキャスティン女史のリズミックムーブメントを取り入れて、素晴らしい結果を得ました。長期にわたる統合失調症のケースでも、いくつか驚くべき回復が認められました。

1989年、ブロムベリ氏は独立して開業し、統合失調症を長期に患っている患者たちにムーブメントトレーニングを導入するように招かれました。患者たちの多くは10年もしくはそれ以上入院していました。2年後、彼の仕事についての報告書が編纂されています。報告書には以下のように書かれていました。「この研究は、ムーブメント・セラピーによって治療された患者がとても大きいプラスの変化を見せたことを示している。(中略)とりわけ彼らの多くが社会活動に参加できるようになり、作業療法や病棟での日々の仕事に参加するようになったことが、その変化を明確に示している。彼らはまた自分の周囲に対してより強い興味を持つようになった。」

また、人智学の考えにより運営された、発達や知的障害を持つ学生達が寄宿舎生活をおくる学校でもリズミックムーブメントトレーニングを導入しました。学生の中には、特別な知的障害のある子ども、自閉症やADDと診断された子どももいました。動作障害、ADDによる学習障害、精神病のある学生たちが、リズミックムーブメントトレーニングから最も多く恩恵を受けることがわかりました。大抵の場合、不要な感情反応を避けるために小麦グルテンとカゼインを抜いた食事療法によって腸内微生物叢を整える必要もある、とブロムベリ氏は自閉症の学生たちに助言しています。

現在は、ブロムベリ氏の指導のもと、リズミックムーブメントトレーニングセンターがスウェーデンのソルナに開設されています。センター内のクリニックで、人々の困難さを生じさせている問題を診ます。感覚や運動の問題、ADHD、識字障害、言語障害、言語発達の遅滞、アスペルガー、自閉症、脳性麻痺、パーキンソン病といったものです。クライアントは、リズミックムーブメントトレーニングセンターのセラピストから自分用のエクササイズ・プログラムをもらって、各自のセラピーセッションに参加します。セラピーによっては、エクササイズを家で続けたり、親と一緒に行うときもあります。

1990年よりブロムベリ氏は、セラピスト、教師、看護スタッフに対して、リズミックムーブメントトレーニングの講座を教えてきました。スウェーデンとヨーロッパ各地だけでなく、米国、シンガポール、マレーシア、香港、オーストラリア、日本でも教えています。

彼はブロムベリ・リズミックムーブメントトレーニングの内容を異なった観点で分け、8つの講座にまとめました。講座用の教本はキャスティン女史が教えているリズミックムーブメントを扱っていますが、それに加え、原始反射と反射を統合するやり方についての情報も含んでいます。リズミカルな動きとスベトラーナ・マスカトーバ女史が教えているアイソメトリックなエクササイズの両方によって、原始反射は統合できる可能性があります。

人々の困難さや障害が変化してきている現在において、ブロムベリ氏は彼の経験に基づき、教本の内容やエクササイズのやり方に変更を加え、常に最新の情報を提供しています。

書籍は、2008年に「癒しの動き

をスウェーデン語で、英語版「Movements that Heal

2011年に出版しました。

2010年には「自閉症―治せる病」という本をスウェーデン語で出版しました。この本は、自閉症の環境的要因に言及し、食事療法、サプリメントやリズミックムーブメントトレーニングによる自閉症の治療に関して扱っています。英語版「Autism
A Path To Healing」2016年に発売されました。